【傷病手当って知ってる?】知らないと損する退職に関するお金の話

仕事を辞めたい。でもそんな簡単には辞められない。

仕事辞めたいけど、その後が不安…

こんな悩み、ありませんか?

簡単に仕事を辞められない理由として、まず心配なのは「お金」の問題ではないでしょうか。

家庭を持っていれば、なおさらです。

しかし、心の病・からだの病・ケガなどで体を壊してしまったら、長期で休養したり、仕事を辞めざるを得ない場合もあります。
そんな時にお金のことを心配していたら、ゆっくり療養もできませんよね。

まず、退職後にもらえるお金として思いつくのは「退職金」と「失業手当」。
でももしも、それ以外にもらえる場合があるとしたら…?

知っていますか?傷病手当金

「傷病手当金」という制度があることをご存知ですか?
我が家は実際に、この傷病手当金を受け取って生活しています。(2023年4月現在)

この記事では、傷病手当金について、我が家の受給までの道のりを解説していきます。

あなたのお金に関する不安が、少しは解消されるかもしれません。

そもそも、傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

病気やケガなどで仕事ができず、十分な報酬を得られない場合に支給されます。

退職前に手続きしておけば、退職後も含め最長18ヶ月受給できるというありがたいもの。
なお、任意継続被保険者は対象外となります。

参考)全国健康保険協会:傷病手当金

知ってほしい現実

社会保険料を支払っている労働者6700万人のうち、1600万人(約4人に1人)が受給適合者であるにも関わらず、実際にはそのうちの9万人程度しか受給していません。

「制度を知らなかった」
「知っていたが会社に言い出せなかった」
「手続きに失敗した」

こんな理由から、実に99.5%の人が「もらえるのにもらっていない」数十万円〜数百万円を受け取るチャンスを棒に振っているのです…!

退職コンシェルジュ:https://youtu.be/187o5lj8hc4 より抜粋

傷病手当金受給が決定するまで

ここからは、我が家の大黒柱ひつじくんが、傷病手当金という制度に出会い受給が決定するまでの様子を、ひつじくん目線で赤裸々にお見せしていきます。

同じ悩みを抱えるあなたの力に、少しでもなれますように。


✏︎ 我が家の大黒柱ひつじくんのプロフィール
年齢:46歳
勤続:20年
年収:約600万円
家族構成:妻うぃけたろう(筆者)と娘1人の3人家族

結婚を機に、福利厚生の手厚い地方の企業に転職し現在に至る。
約半年間の海外出張の後、会社で働く自分や、会社の体制に疑問を持ち始めるように。
退職したいと強く思うも、家族のために頑張ろうとここまで踏ん張ってきた。

退職まであと1ヶ月

僕は苦しんでいた。

「退職したい」という思いが芽生えてから、はや数年。限界はとうに超えていた。
これ以上会社にいたら、自分を見失ってしまう。

意を決して病院に行ってみた。

診断の結果、告げられた病名は「うつ病エピソード」だった。

会社に診断書を提出し、まずは休養のため1ヶ月の休暇をもらう。
しかし休養したところで、辞めたい気持ちに変化はなかった。

今年は勤続20年と区切りがいいこともあり、休暇の後、ついに退職を申し出た。
退職日は12月31日。
家族は反対しなかった。

11月下旬から退職日まで、さらに有休消化の休暇をもらった。
これでもう会社に行くことはない。

「やっと辞められる!退職できることになってスッキリした。」

…はずだった。

まだなにか心に引っかかるものがある…。それはお金の心配だった。

検索の先に見えてきた希望

はじめは、妻の収入と退職金と失業手当だけで、なんとかするつもりでいた。
いや、なんとかするしかないと思っていた。

「でもかなり不安だ。何か、他にもらえそうな手当はないか?」

幸い時間だけはあったので、検索しまくった。
どこかは忘れたが、ある個人ブログから【退職NOTE】に行き着いた。

傷病手当金というものがあるらしい。( 聞いたことがあるようなないような…。)
条件はいくつかあるが、もし当てはまれば、毎月給料の3分の2程度を受け取れるそうだ。

条件は全て当てはまる。

貰えたらこんなに心強いものはないが、そんなにうまい話があるだろうか…?

退職NOTE:https://taishoku-note.com/membership/ より抜粋

受給診断

無料で、登録も不要だというので、疑いながらも退職NOTEの「受給診断」というものをやってみることに。これでおおよその、受給可否がわかるらしい。

退職NOTEの受給診断は、現状を選択していくだけで受給可能な手当金や給付金が登録不要・無料で確認できます。
「傷病手当金」「失業手当」「再就職手当」「障害年金」の4つが診断対象です。

これによって「傷病手当金」「失業手当」「再就職手当」の3つが受給可能と診断された。
すこし希望が見えてきた。

退職NOTE:ひつじくんの受給診断結果

給付金計算シミュレーション

さらに、傷病手当金がいくらもらえるのか、シミュレーションしてくれるというので、それもやってみることに。

シミュレーションで入力するのは、年齢直近の年収(ボーナス・通勤手当を除く)・勤続年数退職理由だけという簡単なものだった。面倒な入力が多いと、それだけで嫌になってしまうのでありがたい。とりあえず、おおよその年収を入力した。

すぐに、最大受給期間と最大受給金額が表示された。

退職NOTE:ひつじくんの傷病手当金計算結果

正直、こんなにもらえるのかと驚いた。しかも毎月。

この時点で、もう退職日まで1ヶ月を切っていた。
退職前に手続きを済ませないと受給できないらしい。
時間はあまりない。しかも年末だ。

手続きするのなら、早くしなければ。

傷病手当金の支給金額は、日割計算です。
対象月の日数が少なければ支給額も少なくなります。(つまり、2月分が一番支給額の少ない月となります)

1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)(支給開始日とは、一番最初に傷病手当金が支給された日のことです。)
(※)支給開始日の以前の期間が12ヵ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。
ア 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
イ 標準報酬月額の平均額
・30万円(※):支給開始日が平成31年4月1日以降の方 
※当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額

全国健康保険協会:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/ より引用

利用料金

はやる気持ちを抑えつつ、さらに退職NOTEのサイトを見ていく。

この退職NOTEは、自身で給付金の手続きをする人に、公的保障を最大限に活用するための情報サービスを提供してくれるらしい。

退職NOTE:https://taishoku-note.com/service/ より抜粋


退職NOTEには人的サービスはないため、手続きは自分で行う。その代わり、手続きに必要な情報は豊富にあるようだ。

利用料金を見る。

退職NOTE:https://taishoku-note.com/service/ より抜粋

安くはない…いや、高い。
もう少し詳しく見てみよう。

退職NOTEの上位互換【退職コンシェルジュ】との出会い

さらに退職NOTEのサイトを見ていくと、「社会保険給付金サービス」という文字が目に入った。

退職NOTEは退職者に向けた給付金手続き等の情報を提供しており、お一人でも申請が行えるようなサービスとなっております。しかし当サービスでは人的サポートは行っておりません。

お一人では申請がご不安な方、もっと詳しいことを聞きたい方、より確実な受給を実現したい方は退職コンシェルジュの「社会保険給付金サービス」をぜひご利用下さい。

退職NOTE:申請サポートをご希望の方 https://taishoku-note.com/hope/ より引用

社会保険給付金サービスを行う【退職コンシェルジュ】は、いわば退職NOTEの上位互換のような存在らしい。
退職コンシェルジュなら、担当者がついてサポートしてくれると書いてある。

現在のメンタルの状態や退職までの日数の少なさを考えると、確実に手続きするには1人では不安があったため、退職コンシェルジュを詳しく見てみることにする。

退職コンシェルジュを検討する

退職コンシェルジュは1700名以上の利用があり、給付金受給率は97%を誇るという。

全額金額保証があるから、万が一受給できなかった場合でも損をすることはないようだ。(この点について、退職NOTEは金額補償の記述がなかった。気になるかたは要確認。)

退職コンシェルジュ:https://www.taishoku-concierge.jp/service/service01.php より抜粋

まずは、退職コンシェルジュのLINEを登録してみる。
LINEでは、先ほど同様「受給診断」や「給付金計算シミュレーション」の確認を受けた。

やはり、「受給できる可能性が高い」と診断された。

最後にWEB説明会と個別相談に案内される。
直近の説明会に参加することに。

とにかく、僕には時間がないのだ。

WEB説明会と個別相談に参加

WEB説明会で傷病手当金についての詳しい説明を受け、その後個別相談の予約をした。
退職まで時間がないことを伝えると、すぐに個別相談の日程を調整してくれた。

個別相談は、90分ほど。
詳細は省くが、一対一で担当の女性からサービスについての詳しい説明と、受給対象者であるかの確認を受け、こちらの質問にも丁寧に答えてくれた。

社会保険給付金サポート費用は、受け取れる給付金の10〜15%が目安と、かなり高額。退職NOTEとは比べ物にならない金額だ。しかしHPにもあった通り、受給できなかった場合は全額返金保証がある。

もちろん相談時に即決する必要はないが、即決の場合だと値引きがあると言われた。

僕の場合は、社会保険給付金サポート費用が約45万円(税別)。そこから当日決済の場合、割引5万円が適用される。

この時点で12月14日、つまり退職まであと半月。税込で約44万円の出費となるが、僕は即決した。

電子署名付きの書類(社会保障申請支援業務委託契約書)に目を通し、署名する。

確実に受給するためにも、これは必要経費だ。

背に腹は変えられない。

失敗の許されない手続き

この後は目の回る忙しさだった。
退職日まで半月を切っている。失敗は許されない。

1. 診断書を手に入れる

まずは、休暇中に通院した病院へ行き、担当医に診断書を書いてもらう。

この際、コンシェルジュから「退職日が過ぎるまで、担当医に退職する予定だと言わないように」と何度も念を押された。手続きが面倒になることがあるらしい。

医師の診断書は、当日書いてもらえます。

2. 会社に連絡する

会社に、傷病手当金の申請をしたい旨を伝えるメールを送らなくてはならない。
内容については、不備がないように担当のコンシェルジュがテンプレートを用意してくれた。それをもとに必要事項を記入し、会社にメール。
手続きに必要な書類などをメールで送ってもらう(書類の仕様は健保組合によって異なる)。

コンシェルジュとの連絡は、すべてチャットワーク上で行います。

3. 書類の確認・記入

会社から送られてきた書類に目を通し、分からないことがあればコンシェルジュに確認しながら、必要部分に記入していく。

会社からの書類

分からないことや相談があれば、すぐにコンシェルジュに連絡します。
回答は、数分で返ってくることがほとんどです。

4. 書類をコンシェルジュが確認

3で記入した書類に不備がないか、スクショしたものをチャットワーク上で送り、コンシェルジュに確認してもらう。

5. 書類を会社へ郵送する

退職後は直接、健康保険組合に郵送することになるが、初めの手続きは必ず会社を通す必要があるため、速達で会社に送る。
会社とこちらでは、手続きの重要度に温度差があるので、会社に郵送したことを知らせ、早急に手続きしてもらうよう少々急きたてた。

やれることはやった。
あとは支給の決定を待とう。

受給するためにやらなければいけないことは、コンシェルジュが全てチャットワーク上で【タスク化】してくれます。
それをひとつひとつこなしていけばいいので、分かりやすく、見落としがありません。

支給決定

傷病手当金の支給は、会社に在籍していた月の分は支給されないので、僕の場合、1月の分からが支給対象となる。

支給が決定したのは、4月10日ごろ。支給されたのは4月25日だった。

退職後にやったこと

退職後、1ヶ月して会社から離職票が届く。
その後、ハローワークへ行き雇用保険延長手続きをした。

この手続きによって、傷病手当金受給後に失業手当も受け取ることができるのだ…!

診断から受給までのサイクル

ここからは、私“うぃけたろう”が診断から受給までのサイクルについて、説明させていただきます。

① 病院へ行き、診断してもらう(書類を預ける)
② 書類をもらいに行く(必要事項に記入する)
③ 健康保険組合に書類を送る(郵送)
④ 支給決定を確認(組合のサイトに確認しに行く)
⑤ 傷病手当金支給

このカレンダーは、我が家の4月分と5月分の受給サイクルの例です。

見ていただければ分かるとおり、医師の診断をもらってから2ヶ月後に支給されるという流れです。
例)5月分→7月末支給 / 6月分→8月末支給

健康保険組合によって支給決定日や支給日は異なりますので、参考までにご覧ください。
このサイクルが重なりながら、毎月繰り返していきます。

ちなみに我が家は、最初の申請後初めて支給されたのは4月末(1月分)でした。
年末ということもあり手続きに手間取ったので遅くなりましたが、手続き次第ではもう少し早く支給できるのかもしれません。

それでは、受給までの流れを、詳しく見ていきましょう。

①病院へ行き、診断してもらう

受診して、【働くことが困難である】との診断をしてもらいます。

診断を書いてもらう診断書は、こちらから持参。
黄色い枠内に、記入してもらいます。
会計の際に受付に預け、後日取りに来ることを伝えます。

診断する医師についてですが、先日ひつじくんの担当医が体調を崩したため、同じ病院の別の医師に診断してもらいました。不安だったためコンシェルジュに確認したところ、違う医師の診断でも申請には問題ないとのことでした。
(今回は同じ病院内だったため、違う病院にかかる場合は要確認です)

② 書類をもらいに行く

医師に書いてもらう書類は、診断してもらった当日に受け取れるわけではありません。
医師によりますが、通常1週間〜10日、長いと2週間ほどかかります。

ひつじくんは診断から10日ほどで病院に連絡し、記入が済んでいるか確認した上で受け取りに行っています。少々面倒ですが、受給するためには必要な作業です。

医師に記入してもらった診断書欄以外の傷病手当金請求書の欄に、必要事項を記入していきます。
その際、いっしょに【傷病手当金にかかる受診状況及び日常生活報告書】も記入します。

未記入の書類

③ 健康保険組合に書類と診断書を送る

書類をそれぞれスクショし、チャットワーク内でコンシェルジュに確認してもらいます。

不備がなければ、郵送で健康保険組合に送ります。

④ 支給決定を確認

支給の決定は、健康保険組合のサイトで告知され、【給付金支給決定通知書】が交付されます。
メールが来るわけではないので、こちらからサイトへ行き確認が必要。
ひつじくんは、毎月10日頃に告知されています(健康保険組合によって異なります)。

⑤ 傷病手当金支給

会社の給料日に、傷病手当金が指定した口座に支給されます。

この流れを、毎月繰り返していきます。

おわりに

この記事は、少しでも多くのかたに傷病手当金の制度を知ってもらい、退職後の不安を抱えるかたが前を向けるようお手伝いができたらと思い書きました。

退職NOTEや退職コンシェルジュをなんとしてもおすすめしたいわけではなく、これは、あくまでも一例です。
ひつじくんは退職日まで時間がなかったので、じっくり検討する余裕もありませんでしたが、まだ余裕のあるかたは、他社のサービスとも比べてみることをおすすめします。

結論として、我が家は退職コンシェルジュのサービスを利用して、良かったと思っています。
退職のストレスや慣れない書類の申請など、気持ちが不安定になる中で、サポートしてくれる存在があることはとても心強いです。
そんな存在を、あなたにもぜひ見つけていただきたいと思います。

この記事が、少しでもあなたのお役に立ちますように。

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